
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)によって、事業者は『事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない』と定められています。
また、廃棄物の処理は専門業者に委託すれば終わりではなく、最終処分が完了するまでは事業者側に責任が生じ、不適切な処理を行う業者へ委託した場合には、事業者側も罰則が科せられ社名の公表や社会的信用の失墜などのリスクか生じることを十分に理解しましょう。
本記事では、新しく産業廃棄物管理担当者になった方に向けて、押さえるべき基本知識を分かりやすく丁寧にお伝えいたします。
また、信頼できる産業廃棄物処理業者をお探しの方は『アール・イー・ハヤシ』までお気軽にお問合せください。

「廃棄物処理法」とは?
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」とは、廃棄物処理法または廃掃法ともいい以下(第1条)の通り廃棄物の保管・運搬・処分についてのルールを定めた法律です。
この法律は、廃棄物の排出を抑制し、及び廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の処理をし、並びに生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする。
廃棄物とは?
廃棄物とは、廃掃法で「ごみ、粗大ごみ、汚泥、燃え殻、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物または不要物であって固形状または液状のもののこと」と定められています。
廃棄物の分類
廃棄物は、大きく2つ家庭から出る「家庭ごみ」と事業活動によって生じる「事業系ごみ」に分けられます。
「家庭ごみ」とは、一般家庭から出る可燃ごみや不燃ごみ・資源ごみ・粗大ごみのこと、事業活動とは、営利団体・非営利団体を問わずすべての事業活動のことをいいます。
そのため、お店や会社、建築現場や工場、デパート、アミューズメント施設をはじめ、病院や教育・社会福祉事業などの公共サービスを行う施設や事業のことをいいます。

この事業系ごみは、更に「産業廃棄物」と「事業系一般廃棄物」に分けられます。
産業廃棄物とは?
事業活動によって排出されるごみのうち、法で定められた廃プラ・燃え殻・汚泥・廃油・廃酸・廃アルカリの6種類と政令で定められたゴムくず・金属くず・がれき類など14種類の品目を合わせた20種類を「産業廃棄物」と呼びます。
また、産業廃棄物のうち爆発性・毒性・感染性など人の健康または生活環境に係る被害を発生させる恐れがある性状を有するものを「特別管理産業廃棄物」といいます。

産業廃棄物の品目と具体例
産業廃棄物の品目は以下の20種類がありますが、そのうちの7種類は業種限定がある廃棄物となっています。

業種限定
以下の業種限定のある品目は、指定業種から排出される場合のみ産業廃棄物扱いとなります。
- 紙くず
建設業・製紙工場・新聞業・出版業・製本業・印刷物加工業の事業から排出される紙くず - 木くず
建設業・木材又は木製品製造業・パルプ製造業・輸入木材の卸売業・物品賃貸業の事業から排出される木くず - 繊維くず
建設業・繊維工業から排出される繊維くず - 動植物性残さ
食料品製造業・飲料/飼料/有機質肥料製造業・医薬品製造業・香料製造業から排出される動植物性残さ - 動物系固形不要物
畜産農業から排出される - 動物のふん尿
畜産農業から排出される - 動物の死体
畜産農業から排出される
特定産業廃棄物の品目と概要
特別管理産業廃棄物は、通常の廃棄物よりも規制が厳しく処理方法が異なるほか処理業の許可も区別されています。
保管・処分を行う際には、特に注意したうえで適切に取り扱うことが必要です。

事業系一般廃棄物とは?
事業系ごみのうち、産業廃棄物以外の廃棄物を「事業系一般廃棄物」と言います。事業系ごみは、家庭ごみ集積所には排出することができないため、自ら市区町村の処理施設へ持ち込むか一般廃棄物収集運搬業許可をもつ者へ委託する必要があります。
事業者の責務
廃掃法の第3条により、事業者の責任について以下の通り定められています。
- 事業者は事業活動で生じた廃棄物を自らの責任で適正に処理しなければならない
- 廃棄物の再生利用等によりその減量に努めなければならない
- 製造、加工、販売等の段階から、製品・容器等が廃棄物になった時のことを考えて処理が困難にならないようにしなければならない
- 廃棄物の減量や適正処理のため、国や地方公共団体の施策に協力しなければならない
産業廃棄物の排出業者が自ら処理せず、他人に運搬または処分を委託する場合は廃掃法で定められた基準に従い、産業廃棄物処理業の許可を受けている者に処理を委託しなければなりません。
そのため、収集運搬については「産業廃棄物収集運搬業許可」、処分(焼却や破砕)については「産業廃棄物処分業許可」を持つ業者へ委託しましょう。
産業廃棄物は、ごみの発生から最終処分が行われるまで排出事業者側に責任があります。
一連の処理が適正に行われるように必要な措置を講ずるよう努め、不適切な処理などを行う業者へ委託した場合は、排出事業者責任の違反行為となり罰則が科せられますので廃掃法を遵守することの重要性を認識しましょう。
産業廃棄物の処理を行うために必要な許可とは
他人から委託を受けて産業廃棄物の処理を行うには、管轄の都道府県・政令市から許可を受けなければなりません。
産業廃棄物処理業 | 産業廃棄物収集運搬業 |
特別管理産業廃棄物収集運搬業 | |
産業廃棄物処分業 | |
特別管理産業廃棄物処分業 |
産業廃棄物の処理の流れ

- ①廃棄物の発生
- 排出事業者が廃棄物を排出。排出事業者には、事業者の責務が生じるため、廃棄物を適切に処理しなければならない。

- ②廃棄物の収集運搬
- 廃棄物を発生した場所から自ら運搬するもしくは産業廃棄物収集運搬業許可を所有する業者へ委託し処理施設まで運ぶ。

- ③廃棄物の処分(中間処分・再生処理)
- 自ら処分を行うか、産業廃棄物処分業許可を所有する業者へ委託。
中間処理業工場まで運搬された廃棄物は分別や焼却・破砕などの処理が行われる。

- ④最終処分
- 中間処理が行われた廃棄物のうち、リサイクル可能なものは再生事業者、埋め立て処分されるものは最終処分業者へ運搬される。

廃棄物の処理委託の手順
- 手順①廃棄物の性状や有害物質の有無を把握する
- 産業廃棄物の性状とは「固形」「液状」「泥状」に分類され、性状が明らかではないときは、溶出試験等を行いましょう。
- 手順③処理業者の持っている許可の内容を確認する
- 処分業の許可証には、「許可番号、許可の有効期限、取り扱うことのできる廃棄物の品目、処理施設の能力や種類」などが記載されています。
委託を検討している業者から許可証の写しを受け取り、以下の点について確認しましょう。
①委託する廃棄物に必要な許可かどうか
②許可の期限は切れていないか(切れている場合更新中のことがあります)③委託する品目について許可を取得していること
④許可番号は正しいか(偽造されたものでないか)
⑤処理能力や処理施設の種類は適切であるか
- 手順④処理業者を見学・現地確認をする
- 実際に処理業者を見学・現地確認をして、運搬車両や容器、施設の清掃が行き届いていること、施設外へ廃棄物が流出・飛散することはないかを確認しましょう。
- 手順⑤委託契約書を作成する
- 排出事業者と収集運搬業者、排出事業者と処分業者の間のそれぞれ二者間で委託契約を締結しましょう。
- 手順⑥廃棄物を引き渡し管理票を交付する
- 産業廃棄物を産業廃棄物収集運搬業者へ引き渡す際、必要事項を記載した産業廃棄物管理票(マニュフェスト)を交付し、控えを保管しましょう。
- 手順⑦マニュフェストで委託した廃棄物が適切に処理されているかを確認する
- 産業廃棄物管理票とはマニュフェストとも呼ばれ、廃棄物の処理状況の確認ができる仕組みのことです。
産業廃棄物処分に関するよくある質問
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「優良産廃処理業者認定制度」とは?
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処理業の実施に関して、優れた能力や実績をもつ者の基準に適合する処理業者を各都道府県・政令市が認定するもので、通常の処理業の許可基準と比べると厳しいものとなっています。
処理の基準には、実績や遵法性、事業の透明性や環境への取り組みなどがあり取得している業者も全体1.2万者のうちわずか1千者となっています。
弊社アール・イー・ハヤシでは、東京都・埼玉県・千葉県・山梨県から優良認定を受けておりますので、優良業者をお探しの方はお気軽にお問合せください。
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「マニュフェスト」とは?
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「マニュフェスト」とは、産業廃棄物の処理が適切に行われているかどうかを確認するための管理票のことで、排出事業者は廃棄物の委託を行う際に、マニュフェストを交付し最終処分まで確認しなければなりません。
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「マニュフェスト」の保存期限は何年ですか?
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マニュフェストの保存期限は「5年」です。
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「電子マニュフェスト」とは?
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「電子マニュフェスト」とは、紙マニュフェストを電子化したものでマニュフェスト情報を情報処理センターへ登録します。
紙マニュフェストと異なり、データ管理が情報処理センターで行われるためマニュフェストの保存の必要がなく記入漏れや処理状況の確認が容易です。
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自宅兼店舗(自宅と店舗が同じ建物内にある)の場合でも事業活動に含まれますか?
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店舗併用住宅・自宅兼店舗の場合であっても、排出する廃棄物は「事業系ごみ」扱いとなります。
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事業系一般廃棄物の処理業者の探し方
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事業系一般廃棄物処理業者は、各自治体のホームページに許可業者一覧や許可業者名簿として掲載されています。また、産廃情報ネットからも確認することが可能です。
産業廃棄物の処分業者ならアール・イー・ハヤシ
ここまで、産業廃棄物に関する基本知識についてご説明してきました。
産業廃棄物の処分にお困りの方や安心して委託できる業者をお探しの方は、是非弊社アール・イー・ハヤシまでお問合せください。

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